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韓ドラのはなし

「涙の女王」には参りました 脚本・演出・キャストの全てに降参です

最終回の視聴率が「愛の不時着」を超え、tvNの歴代記録を更新したという「涙の女王」は、日頃から自分のことを「愛憎・復讐フリーク」などと呼び、ギドギドに汚れまくっていた私の心を、綺麗さっぱり清めてくれるような、それはそれは感動の純愛物語で、(またやられちまたったな!)と思わざるを得ない作品なのでした。

ちぇみちぇみ
今回の記事、本当はもっと早く公開するはずでしたが、ただでさえノロノロ更新な私が、なんとコロナに感染しまして(涙)、すっかり遅くなってしまったのでした。

登場する方々

「涙の女王」は、大恋愛の末に結ばれたヘインとヒョヌが、結婚3年目にして夫婦の倦怠期を迎えるも、ヘインの余命宣告という思いがけぬ事態を機に、互いに忘れかけていた愛情を取り戻し、絆を強くするというストーリー。助け合う家族や友人の他、二人を攻撃する極悪な輩も登場し、ドラマを盛り上げております。

ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)

田舎育ちですが、ソウル大出身で弁護士資格を持つエリート。財閥家の婿としての暮らしに嫌気が差し、離婚まで決意したものの、ヘインの余命宣告を受け、面倒な話し合いをせずとも別れられると考え、あっさり離婚を取りやめる計算高さ。遺産はしっかりいただこうと、ヘインの機嫌を取りつつ暮らしていたはずが、少しずつ気持ちに変化が生じ、ヘイン無しでは生きられないと強く思うまでに。ヘインの病気を治し、徹底的に守ろうとする、たくましい最強の夫です。

ホン・ヘイン(キム・ジウォン)

財閥家の三代目として生まれた由緒正しきセレブ。クールな妻を装い、ヒョヌには冷淡な態度を取っていても、実は、ヒョヌへの愛は出会った頃からずっと変わっていないという、そのひたむきさが感動的。自分の命がもう長くないとわかってからは、更にヒョヌへの愛が増えていき、一見そっけなく見える態度も、全てヒョヌのための行動に繋がっているのが、いじらしくて泣けます。なかなか素直に愛情を表現できないプライドの高さも、かえって可愛く見えてしまいます。

ユン・ウンソン(パク・ソンフン)

ヘイン一家が経営するクイーンズグループの乗っとりを企みながら、ヘインまでをもヒョヌと別れさせ、自分のものにしようとする悪い男。特に、ヘインが手術の後遺症で記憶を失ってからの、言葉巧みにヘインを騙すやり口が卑劣。母親に捨てられた(と本人は思っている)幼少の記憶がトラウマで、愛情に飢えた悲しい男性でもあります。私自身、パク・ソンフンのファンでして、「悪者ばかりじゃないのよ、いい人も演じてまっせ」と叫びながら見ていたのは、言うまでもありませぬ。

ヒョヌの実家の皆さん(あの方やらこの方やら)

ド田舎に住むヒョヌの実家の家族は、スーパーを経営しながら農家も営む両親、村のおばさん連中の溜まり場と化した美容室を経営する姉、ボクシングジムを運営する、今いちパッとしない兄という顔ぶれ。財閥家に婿入りした末っ子ヒョヌが、この一家の唯一の誇りですが、何かとお騒がせな一族の中で暮らすヒョヌが、心配でたまらないのも事実。ヘインとの離婚話にも胸をいためてしまうのです。

ヒョヌの実家のご近所の皆さん(あの方やらこの方やら)

ヒョヌの父親の飲み仲間や、姉の働く美容室で井戸端会議に興じるおばさん連中の会話には、田舎であるがゆえの人情の厚さや、都会へのコンプレックスが散らつきます。田舎のしっぽりとした、まるで家族のような繋がりがあり、あらゆるシーンにおいて、ユニークな個性と存在感を感じずにはいられません。

ホン・スチョル(クァク・ドンヨン)

ヘインの弟。子供の頃からヘインに虐げられるように育ち、大人になってからも、何をやってもヘインには勝てずにいます。お人好しで頭も悪いですが、家庭的な父親で、身内に対する情も深く、どことなく憎めない性格のスチョルくん。彼の言葉や態度に、感動の涙を流した視聴者はたくさんいたはずでございます。

モ・スリ(イ・ミスク)

 

クイーンズグループ会長の愛人であり、ウンソンの実母。か弱い女を装いながらも、虎視眈々と、クイーンズグループの財産を狙っております。悪女の大御所(褒めております)イ・ミスク様が演じ、震えがきちゃうくらいの冷たさと美しさです。会長の心を手のひらでコロコロ転がし、実質的な実権は彼女が持っているといっても過言でなく。老人を騙してまんまとクイーンズグループの乗っ取りに成功したように見えましたけれども…さて、どうでしょう。

ホン家の皆さん(あの方やらこの方やら)

ヘインの家族に、財閥家特有の傲慢さはあまり無く、そこに一族の育ちの良さを感じたワタクシ。しかしながら、クイーンズグループ副会長でもある、ヘインの父親に経営手腕は期待できず、更にその息子は、それに輪をかけて世間知らずなおぼっちゃんと来ました。そんな風に、なんの危機感も無く平和に暮らしているように見えるヘインの家族にも、過去に起きた悲しい事件の傷跡が、それはそれは心に深く残っているのでありました。

「涙の女王」は愛情びんびん物語

脚本家は、「愛の不時着」と同じと聞き、なるほどと唸ってしまうワタクシ。「愛の不時着」は最終回のハイライトしか見ていない私ですが、あれだけで感動でお腹いっぱいになりましたもん。愛し合う二人の切ない気持ちが、すごく伝わってくるのです。そうね、あれを書いた方だから。そうよ、そうなのよ…と、ひとり納得しておりました。

母性本能をくすぐられるとは、まさにこれな

ヒョヌには声を大にして「負けました!」と床にひれ伏したいくらい。頭脳明晰で仕事もキレる男ヒョヌを、小さな子供のようにあどけなくキュートに魅せてしまう演出が憎い。これが監督の狙いなら、まんまとハメられた韓ドラおばはん、ここにあり。余命宣告を受けたヘインを愛おしく大切に思う気持ちが、見ているこちらにびんびん伝わりました。これは「涙の女王」でなくて「涙の王子」では?と、脚本家に詰め寄りたい気持ちをどんだけ抑えたことか。

ヒョヌは半沢直樹かな?

そしてそして、どんなことがあっても負けない、強い精神力と、必ずヘインを守るという、夫としての男らしさにグッとくるのはもちろんのこと、どんな苦境に陥っても、ヒョヌは負け知らず。必ずや敵を成敗し、「ざまあみろ、お前なんかおしりぺんぺん!」と言わせる(言わないと思う)、ヒョヌの強さには安定の信頼感が!「最後に笑うのはヒョヌなんざんす」と、私たちにもストレスを感じさせない展開は、水戸黄門かな?いやいや半沢直樹かな?

ツンデレ妻の心の裏が健気で泣ける

「嫌いは好きの裏返し」とは良く言ったもので、ヘインの強がる言葉の裏に隠された女心に「わかった、わかった」と、肩をポンポンしてあげたいくらいですよ。実は違うんだ、本当はこうなんだ…という、ヘインの心の叫びが聞こえて来そう。ヒョヌへの愛情がてんこ盛りに溢れており、言葉ではっきり言えない分、健気さが伝わってきます。自身の病気を知ってからは、素直にヒョヌを頼り、更に可愛い女性へと変わっていく過程にほのぼのしちゃいます。

「涙の女王」ワタクシ的にここがツボ

突然の余命宣告やら、壮絶な遺産相続争いやら、それなりに暗いテーマも乗っかってはいるものの、タイトルから連想する悲哀な雰囲気は一切無く、あらゆるシーンに散りばめられたコミカルな演出が、私を楽しくさせてくれるドラマでした。

セレブな父親のボケっぷり

ナムギルさんの映画「パンドラ」で、勇敢な発電所々長を演じたチョン・ジニョン氏は、このドラマではヘインの父親で、クイーンズグループ副会長という役どころ。偉そうな肩書とは裏腹に、良くも悪くものんきで、マイペースを貫くまったり感に、暖かい人柄と平和を感じたのは私だけではあるまい。ヒョヌの実家で食事をする際も、ヤカンで出された水を断り、アルプス産のミネラルウォーターを要求する息子を「お前ってやつは」と、たしなめたのかと思いきや、「すみません、アルプス産でなくても良いです。ドイツや豪州でもかまいません」と、大真面目に言ってのけるあたりが、呆れるくらいにセレブです。思わず「そこじゃないぞ〜」と叫ぶワタクシ、ここにありってか。

あの女優にう◯こを踏ませる?

お金持ちの性悪奥さまを演じさせたら、この人の右に出る女優はいないナ・ヨンヒ様は、ヘインの母親役として、大いにボケをかました演技を披露しております。特に、クイーンズグループを乗っ取られ、マスコミを遠ざけるために逃げ込んだヒョヌの田舎で、思い切り牛糞を踏み、卒倒するシーンはお見事です。履いていたのが50万円はするハイヒールってとこもGood。その後も、プライドの高い奥さまが、田舎の暮らしに少しずつ馴染んでいく過程が、財閥という言葉からは絶対に感じることの無い、ほのぼのとした気持ちにさせられてしまったワタクシなのでした。

ヴィンチェンツォ登場

ヒョヌとヘインが、離婚話を進めようとしていた時、ヘインの代理人としてヴィンチェンツォ(ソン・ジュンギ)が颯爽と登場したのには、心が躍りました。「あ!」って、思わず声が出そうに。ヒョヌの友人でもあり、代理人でもあるやヤンギが、ヒョヌにヴィンチェンツォという人間を説明する際の「財閥家の末息子だとか、元海外派兵だとか、宇宙船で飛来したとか…」と、これまでソン・ジュンギが演じた代表的なキャラクターを交えたセリフが面白い。ここでもヴィンチェンツォは最高にカッコ良かったですぞ。

炸裂する王子様パワーがキュート

第一話のシーン。ヘインが財閥家の娘とは知らず、「僕の家は地方だが、代々地元の名士、牛は30頭以上…」と、ドヤ顔で力説し、「だけど負担には思わないで」と、気づかいまで見せたヒョヌの告白が、おバカなくらい勘違いではありますが、田舎の王子様パワー炸裂で、キュート以外のなにものでもありませぬ。ヘインが財閥の娘だと知り、ショックで姿をくらましたヒョヌに会うため、ヒョヌの田舎に乗り込んだヘインのお家の自家用ヘリと、田舎の景色のミスマッチがかえって感動的。

泣けるよ、泣ける

手術の後遺症で、記憶を失う可能性が高いと知るや、手術後の自分に宛てて、ヘインが書いた日記(手紙?)の内容がいじらし過ぎて泣けます。ヒョヌがどんな男性で、自分がどのくらいヒョヌを好きで、二人はどのようにして愛を育んで来たかなど、記憶を失っても、変わらずヒョヌと歩んで行けるよう、必死に記録を残します。手術室に入る前にも、「ペク・ヒョヌ、ペク・ヒョヌ…」と、最愛の夫の名前を忘れないよう、何度も何度も繰り返し言い続ける姿が、感動的でした。

馬鹿な弟にも感動シーンが満載

能天気で、頭の悪さを惜しみなく露呈する、財閥には良くいるバカ息子かと思いきや、彼の心に満ち溢れる家族愛がヤバかった。彼には、思わず泣かされてしまうシーンが多々あり、その感動は、主演のヒョヌとヘインにも負けないくらい。特に、最愛の息子が、実は血がつながっていなかったとわかった時の悲しみと落胆。そして、それでも何も変わらず、いや、それまで以上に息子に愛を捧ぐ、父親としてのぶれない愛情に、ドラマを見た方々の号泣は必至でございます。バカなだけでは終わらせない、人間愛の深さに拍手喝采なのでした。

OSTが心に染みる

Crushのあの曲が流れると、心になんとも言えない穏やかな風が吹くとでも言いましょうか。彼の弾き語り姿は、YouTubeなど動画サイトにもアップされまくってますので、その歌唱力と綺麗な声にうっとりさせられておりました。パッと見はお猿さんだなんて誰が言ったのか(アタシだよ)。バリバリのHip-Hopアーティストとしても知られ、ダンスも上手けりゃラップも最高。BTSのJhopeとコラボした「Rush hour」は最高にイケてましたが、バラードの王子でもあるのな。またまた彼の名曲が生まれてしまいましたぞ。

私の感想はこうだ

このドラマは、誰がどの角度から見ても「純愛物語」以外の何ものでもありませぬ。ラブコメとか愛のストーリー…なんてフレーズには心が動かず、その類でこれまでに見たドラマは本当に数少ないワタクシ。しかし…しかしですよ、「涙の女王」を見終わり、愛ある夫婦の絆とハッピーエンドに、心がなんともいえない清々しさに包まれたのですよ。美しいドラマを見たという感想を持ったのは、私の韓ドラ史上、お初かもしれません。私のような「純愛?それがなにか?」なんて、すっかり心のやさぐれてる方にも、まずはいちど見ていただきたい。現在の私はと言いますと、これまで見てこなかったスヒョン出演作品を見漁り、絶賛キム・スヒョンキャンペーン実施中でございます。

ちぇみちぇみ
私の中のスヒョンブームはまだまだ続くのでありました


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ちぇみちぇみ

韓ドラと音楽好きな60代(W)。札幌近郊在住の会社員です。まったりペースではありますが、定期的にブログを更新しています。韓ドラの記事が多いですが、年齢的に、これからの生き方についても考えるようになりましたので、そんな日々のつぶやきも発信していきます。よろしくお願いします(インスタ始めました。60代のつぶやき、よろしければ覗きに来てください)

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